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フラワーデザイナーの日誌

  • 2001年9月8日「ショップ編」 - 声も出ない -
  • 昼過ぎに中年の女性が来店された。見本用に作っておいた3000円のアレンジメントに入っているトルコキキョウを見ながら「この花がいや」と言われ、病院のお見舞い用に持って行くものを作って欲しいと注文を受けた。予算は3000円。

    そのアレンジメントの横にあった見本の花束と同じ花を使って欲しいということだったので、すぐ用意して一本目の花を挿そうとした私をその女性は止めた。

    「ちょっと待って。私が挿すわ。私草月流の師範やから。ま、アレンジメントとは違うとは思うけど」

    そう言って自分でハサミを持ってお花を切り始めたのだ。なんて非常識な人だろうと思いながらも、私は草月流の師範が目の前でどんな作品を作るのかちょっと期待した。

    非常識な振舞いだという気持ちを抑えて、逆に師範の活けるところを目の前で見られるのはすごく勉強になることだと考えた。

    直径15cmくらいのバスケットにオアシス(吸水スポンジ)が目一杯入っているので、オアシスを隠すのにはグリーンを一種類でも入れないときっと隠せない。

    そう思ってちょっと予算オーバーだったけど足元を隠すレザーファンも用意して女性の前に置いた。

    でも出来あがったアレンジメントは悲しくなるくらい、とてもじゃないけど見られたものじゃなかった。てっきり見本のようなアレンジにされるのかと思っていたけど本当に草月流風に挿していたのである。

    それが水盤に活けてあるならさまになったかもしれない。でもバスケットにそんな挿し方したらオアシスが丸見えで格好が悪い、というより見るに堪えない代物だ。

    「え?これでいいの?これを人にあげるの?」しかも気を利かせて用意したレザーファンを茎の半分くらいのところで切った後に「私これ嫌いだからいいわ」と言って使わなかったのだ。

    使わないのは構わないけど茎の半分を切ってしまったら売り物にならないではないか。その女性が帰ったあとはあまりのことにボーゼン。怒る気にもならない。

    「・・・あきれすぎて声も出ないね」ともう一人のスタッが話しかけてきた。花屋さんだから・・と思ったのかもしれないけど、それは例えばレストランに入った時にそこのシェフに向かって「私が作るわ」と言って料理をしたのと同じことだ。

    それが普通の人ならまだしもお花を人に教える立場なのに・・・。私が生徒ならどんなに上手に活ける人でも習いたくない。

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