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花と緑の習い事[ケイコとマナブ]

フラワーデザイナーの日誌

  • 2001年6月22日「ショップ編」 - 末摘花(すえつむはな) -
  • 店まではJRと地下鉄を乗り継いで家からだいたい50分くらいかかる。朝はほとんど満員で座れないことが多い。ただ立っているのも退屈なのでこのごろは小説を持ち歩いて読み始めた。

    本当は図書館に行って借りてきたいところだけど忙しくて図書館に行く暇もないので、今は家にある本を持って行って読み直している。今読んでいるのは田辺聖子さんの「新源氏物語」。

    源氏物語を現代風に読みやすく訳してあって面白い。平安の宮廷を舞台に光源氏と数々の美女との恋を描いているという、いまさら説明するまでもない紫式部の有名な物語だ。

    光源氏の恋の相手としてたくさん出てくるお姫様の中に末摘花というお姫様がいる。このお姫様は常陸(ひたち)の宮の一人娘でお父さんが生きていたころには幸せに暮らしていたけど、お父さんが亡くなってからは頼る人もいなくて一人残され寂しく落ちぶれていた。

    そのころ源氏は好きな女性を亡くしたばかりで、その人の面影を追って末摘花を無理やり自分のものにしてしまう。本当は末摘花のことは好きではなかったのに。

    それでも一度縁があって結ばれた女性を源氏は見捨てることが出来ない性格なので経済的にも末摘花に援助をしてあげていた。でも源氏が後に須磨に流されてからは末摘花は源氏に忘れられてまた元の貧乏な生活に戻ってしまう。

    源氏物語に出てくるたくさんのお姫様の中で末摘花はたぶん一番ぶさいくだ。馬面で痛々しいくらいにやせこけていて鼻が異様に大きく赤い。物語の中で源氏は末摘花の顔を見たことを「しまった。何故見てしまったのだろう」と後悔している。

    その末摘花という名前は紅花の別名だ。末摘花って古風な感じの名前なので源氏物語のために紫式部が考えた固有名詞だと思っていたけど、たまたま仕事で花の辞典を調べていたときに紅花の別名が末摘花だとわかったのでびっくりした。

    紅花は咲き始めは黄色だけど日が経って萎れてくるとだんだん赤い色に変わっていくのが特徴だ。末摘花とは姫の赤い鼻を表してつけた名前だったのだ。紅花の姫じゃあまりに露骨だからかな?この辺りが紫式部の粋なところかも。それにしても昔の人の感覚っておもしろい。

    源氏に忘れられた末摘花だったけど物語には続きがある。須磨から帰ってきた源氏はある日、ほかの女性のところに行こうとして通りかかったお屋敷に見覚えがあることに気づく。

    荒れ果てたボロ屋敷は末摘花の家だった。まさかこんな所に末摘花がまだ住んでいるはずがないと源氏は思ったけど、確認してみると末摘花はまだ住んでいて、ひたすら源氏が自分のところに帰ってくるのを待っていたのだ。

    その心に源氏は感動してそれからはずっと末摘花の面倒を見るようになり末摘花は再び幸せになった、というハッピーエンドで終わる。紅花が好きな私としては嬉しい終わり方で満足だ♪

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